8.31/痛さで終わる8月なのだ
夏の手入れ仕事と並行して、庭造りが1件進行中なので、かなりハードな7、8月だった。
たった3人のチームだから、少し忙しいと、パニックになる。
でも、人を雇用するつもりはなく、この体制は続けていくつもりだ。
こんな時は、気長に待っていてくださるお客様の存在はとても有難いのだ。
待っていただいただけでも、申し訳ないというのに、
お土産をいただいたり、美味しいお茶をいただいたり、
はたまた、セナの墓前にとお花をいただいたり・・
と、優しいお客様に感謝する日々。
「アリガタイねえ」と、シミジミ頷き合う3人チーム。
だから、たまーーにトゲのある仕事をすると、愚痴が出ちゃうのかもね。
もっと打たれて精神を鍛えなくてはね。
まだまだ甘い、甘い・・。
そして、トゲではなく、石に四苦八苦しているのは、完成間近の庭。
大室山の麓の別荘地で火山で噴出した石が作った地面なので、掘れば石、掘れば石・・。
分譲地の開発で埋め土をした所を除いては、ほとんど同じ。
分かっていても、石にはウンザリする。
スコップがガツンと当たる感触はとても、疲れる。
当然、ユンボ無しでは進まない。
力持ちのユンボ君には、いつも惚れ惚れするのだ。
ワイヤーで吊った重~い石を軽々と移動する姿は、理想のタイプ。
そして石を積むのは、やはり親方のスピードと上手さが光る。
こちらはすでに理想のタイプでもなく、惚れ惚れともしないが・・・
今日は背中に暑い陽を感じながらも、頬っぺたを撫でる風は完璧な秋の匂いだった。
ふわー、良かったなあ、夏も終わりだわい、と気を抜いたら、
スコップの剣先が内くるぶしに命中した。
しばし、蹲り、唸る。
見事に腫れた。
固い石を相手にしていたせいで、力が入り過ぎてたみたい。
石積みの目地を入れれば、「土方目地じゃん」「植木屋は細目地でしょっ」と2人のハーモニー。
少し、凹む。
でも、石だらけの地面が少しずつ庭としての形に変わっていくのが、面白い。
一輪車を押しながらの鼻歌は、なぜか「なだそうそう」だった。
石だらけの地面がどう変わるのか・・・
8.17/同窓会
お盆休み初日、高校2年の時の同窓会があった。
それまで何度か会っている人もいたが、35年の月日を挟んで再会する人もいた。
メガネがトレードマークだったSは、誰だか分からなかったけど、
優しかった事を思い出し、ジイーーンときた。
少し不良っぽかったMは高校の先生になっていた。
時々顔を見かけたTも、話をするのは久しぶりだった。
可愛かったAはまだ独身で、喋り方がちっとも変わっていない。
柔道部だったKはカラオケで友近なみの芸を披露して爆笑だった。
みんなそれぞれ少し変わった。少し。
「今」の開催で本当に良かった。
この35年の間には、「誰にも会いたくない」なんて、
カラに閉じこもっていた時期もあったかもしれない。
そんな時だったら、きっと「行きたくない」と思ったに違いない。
「欠席」に○印をするのも嫌で、返信のハガキも出さなかったかもしれない。
でも「今」は心穏やかに、半分は開き直って、誰とでも会いたい気分だ。
そして、消したい1年間があるとすれば、あの高校2年の時だ。
何から逃げたかったのか、あの頃の胸の内をPに話せて、良かった。
もう、35年も過ぎてしまえば、ただの青い思い出だ。
地下足袋履いて、植木屋やってまーす。
Pよ、共に理系に進むと誓ったのに、ごめんね、でも、なかなか面白い人生になったよ。